真珠の耳飾りの少女

先週の木曜日、上野の東京美術館にて公開されている「マウリッツハイス美術館展」に行ってきました。

会期は2012年6月30日(土)~ 9月17日(月)までということで、混雑しそうな学生さんたちの夏休みの終わりを待ち、平日を狙う形で行ったわけですが…メチャクチャ混んでました。
皆さんのお目当てはヨハネス・フェルメール作の「真珠の耳飾りの少女」。

なんか美術館巡りってさ、静かな雰囲気と閑散としたフロアをのんびり周るイメージだったんだけど、そんなもん皆無だよ!!
絵の前で群がっては行列・・・、絵の前で群がっては行列・・・と、まさに砂糖に群がる蟻の行進が入り口から出口まで延々と続くんだ。
しかも、「真珠の耳飾りの少女」が15メートル目前に迫ったところで、更に30~40分待ちの蛇行列に突入!
(絵を目の前で見たい人はこの列に並ばないとイケナイのだ!!)

あぁああああああ!腰が痛い!腰が痛い!!
どんだけじっくり鑑賞してんだYO!!

発狂寸前の俺に追い打ちをかけるおばちゃん達の恐るべき割り込み術。
「オバタリアン」という死語を聞かなくなった昨今、その存在も稀有なものとなったと勝手に思い込んでいたのだが、全くもって幻想、全くもって健在であった。
なんとも言えないこの怒りをなんとか抑えようと、生命淘汰の歴史を脳内で紐解いてみたり、無意味に遠くを眺めてみたり、腰痛を軽減させるべく内股歩きやガニ股歩きを色々試してみたり・・・。
くだんないことしてたら絵の前だったんだ。
辿り着いたというより、気がついたら絵の前だった・・・何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった・・・頭がどうにかなりそうだった・・・。
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・。

「パトラッシュ・・・疲れたろ・・・僕も疲れたんだ・・・何だかとても眠いんだ・・・」

そうそう、この「マウリッツハイス美術館展」では、フランダースの犬で少年ネロの憧れだったルーベンスの「聖母被昇天」の下絵が展示してあったのです。

この絵の前でネロは力尽きて死んじゃうわけですが、なんとか俺は生きてました。えぇ、なんとか。
下絵だったからかな?

・・・で、「真珠の耳飾りの少女」ですが、真珠よりもターバンの青の方が映えていて絵を見終わった後で「あ、真珠みてなかったわ・・・。」と気付いた次第であります。
まぁ、疲れきって無の境地状態だったので正直なところ細部はほとんど覚えていませんが、暗い背景の中に浮きあがる青の鮮やかさが印象的な、素朴な、とても素朴な絵でした。

会場を出たところで、「マウリッツハイス美術館展」のオフィシャルサポーターの武井咲さんの着用した衣装が飾られていました。

絵は上半身の一部しか描かれていないので、マウリッツハイス美術館から「中流か上流階級の少女」とのアドバイスがあり、その人物設定をもとに17世紀オランダの時代考証を行いながら制作された衣装とのことです。

残すところあと1週間の「マウリッツハイス美術館展」ですが、お時間のある方は一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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